2023/01/01 22:10

陶器の取り扱い・目止めについて



このたびは、当サイトにお越しいただき、誠にありがとうございます。

長くお使いいただけるよう、陶器の取り扱いについて説明をさせていただきます。

 

陶器には表面のガラス質(釉薬)に細かいヒビ(貫入)や穴(ピンホール)があります。

これは制作の過程で発生する自然な現象であり、破損ではございません。

これらの隙間から水分が浸透するのを防ぐため、『目止め』という手入れをして頂くことをお勧めします。

 

「目止め」とは、陶器を米のとぎ汁に浸すことで、デンプンが糊の役割をして貫入などを塞ぐ方法です。

購入して最初の使用前に目止めをして頂くことをお勧めします。

目止めの方法

1.  とぎ汁を鍋で軽く沸騰させてください。

加熱することでデンプンが水中に溶けて、貫入に浸透し易くなります。

2.  火を止めて安全な温度になるまで冷ましてから、とぎ汁に陶器を1~2時間以上浸けてください。

鍋に入らない場合は陶器の内側に注いでください。

3.  浸け終わった陶器を洗って乾燥させてください。

以上で目止めは完了です。

 

とぎ汁の濃さは、薄めの味噌汁くらいの濁りで十分です。

とぎ汁の代用としては小麦粉や片栗粉を使用したり、米と一緒に煮るなどの方法もあります。

いずれにせよ水に溶かしたデンプンを陶器に浸透させるのが目的です。

 

※電子レンジ、食洗器の使用はお勧めしません。

※毎回、洗った後はよく乾燥させてから収納してください。

※花器(壺など)には予めこちらで防水処理を施しているため目止めは不要です。

 

うつわは人に使われることで経年と共に変化してゆきます。

貫入の雰囲気、釉薬の発色、ふちの欠けや割れなど、不変のものではありません。

これを昔から日本では「うつわが育つ」とポジティブに捉えていました。

作家として皆様に変化を楽しめるうつわをお渡ししてゆくため、今後も精進してまいります。